県文化観光スポーツ部は11日、県内で2023年に開催されたMICE(国際会議や展示会など)の実績を発表した。経済波及効果は過去最高の約443億円で、前年比147億円増加した。参加者数は前年比58%(34万6941人)増の94万4422人で過去最多となった。コロナ禍から回復し、多くの需要があったことや、ホテル単価の上昇などが経済効果を押し上げたとみられる。
開催件数は同61%(586件)増の1544件で、コロナ前の19年比で6%減の水準まで回復。経済波及効果は19年比約101億円の増加となった。
参加者1千人以上の大規模催事が前年比40%(28件)増の98件で、過去最高件数となった。催事別で特に大きな割合を占めている「展示会・見本市・商談会」と「その他ビジネスイベント」を合わせた件数は、新型コロナウイルス感染症の収束に伴い、1万人以上を動員したイベントが16件開催されるなど、前年から58%(30件)増えて過去最高の82件となった。
海外路線の復便があることなどから、海外から参加のあった催事は前年比約2倍の128件だった。一方、コロナ禍前の19年比では45%にとどまった。
施設別で「イベント会場」の利用は前年比約2・5倍の84件だった。沖縄アリーナでの大規模催事や、多くの音楽イベントが開催されたことなどに起因した。沖縄ならではの特別感や地域特性を演出できるとして、ガンガラーの谷や沖縄美ら海水族館での開催もあった。
県MICE推進課の担当者は「新たなホテルや会議施設などが増えたことで、全体の参加者数も増加した。今後も旺盛な需要を捉えて誘致やプロモーションを行いたい」と話した。
(與那覇智早)