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沖縄県内スタートアップの事業拡大 EFポリマーやリルズ社 公的機関と民間が集中支援


沖縄県内スタートアップの事業拡大 EFポリマーやリルズ社 公的機関と民間が集中支援 来春に20億~25億円の資金調達を予定し、今後も事業拡大を目指すEFポリマーの製品(提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 與那覇 智早

 県内スタートアップ(新興企業)の事業拡大に向け、支援の動きが加速している。EFポリマー(恩納村、ナラヤン・ガルジャールCEO)は来年3~4月をめどに20億~25億円規模での資金調達を予定する。多様な機器を通信でつなぐモノのインターネット(IoT)技術サービスのリルズ(宜野湾市、大西敬吾代表)はこのほど、商工中金那覇支店から4千万円の融資を受けた。

 吸水性の高いポリマーを開発して農業の高効率化などを図るEFポリマーは、農業資材の製品改良のほか、同ポリマーを液体の粘性を高める増粘剤として使用した化粧品の開発を新たに進めている。現在はオレンジやバナナの皮を用いてポリマーを製造しているが、シークヮーサーや海藻の残さなどの利用に関し研究を進めているという。

 現在の販売地域はインドやアメリカ、フランス、タイなどだが、海外市場の普及拡大で体制を整えるほか、拠点拡大なども見据えている。

 昨年のEFポリマーの販売量は75トンだが、今年は400トンを予定している。担当者は「農業資材をメインに順調に伸びているが、今後は保冷剤や化粧品などの販売を増やしていきたい」と話した。

 リルズは、9月に販売を開始した完全無線型の防爆IoTカメラ「LC―EX10」の展開を進めるほか、IoTカメラを連動し、画像からAI(人工知能)が学習することで目視巡回点検を代行するサービス「リルズガード」を拡大する。

 両社は9月に、国と県が県内の有望なスタートアップを選定し、公的機関と民間企業が連携して集中支援する「J―Startup OKINAWA」で、沖縄で初めて認定されている。 

IoTカメラと連動し計器を点検するリルズ開発のサービス。沖縄から事業拡大に力を入れている(提供)

(與那覇智早)