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人気の「花ブロック」、沖縄県が施工ガイドライン作成へ 3年かけ研究・講習会を予定


人気の「花ブロック」、沖縄県が施工ガイドライン作成へ 3年かけ研究・講習会を予定 沖縄独特の建築資材「花ブロック」を使った那覇文化芸術劇場なはーとの外壁=那覇市久茂地
この記事を書いた人 Avatar photo 島袋 良太

 沖縄県は「沖縄らしい景観」の継承・振興を目的に、沖縄独特の建築素材である「花ブロック」や石積みの施工方法などに関するガイドラインを作る。

 県土木建築部が7月に策定した「新・景観形成に係る技術開発計画」の中で優先事項に盛り込んでおり、それぞれ3年をかけて技術研究や講習会などを実施する予定。沖縄らしい景観に寄与する資材や技法の普及を図り、販路拡大や製造者の増加につなげたい考えだ。

 計画は地域特性に応じた沖縄らしい色彩に関するガイドラインも策定する。沖縄には例えば色彩が豊かなコザの街並み、自然や原風景が多く残る離島・集落など、地域によって景観が大きく異なるため、その土地になじむ色や違和感のある色を専門家などの意見を踏まえてリスト化する。景観計画を所管する自治体担当者が判断しやすくする目的。(1)花ブロック(2)石積み(3)色彩―の三つを計画の優先事項とした。

花ブロックで構成した「なはーと」内にある壁=2021年7月、那覇市久茂地

 花ブロックは鉄筋コンクリート(RC)造が多い沖縄の建築様式で活用され、外壁、目隠し、外構など広い用途でも使われてきたが、製造企業が少なく、施工方法に応じた安全性の基準がないことなどが課題という。そのため用途や積み方に応じて試験やシミュレーションをし、最適な施工に向けた手引きを策定する。

 石積みはかつて集落の外構などで住民が「ゆいまーる」方式で施工してきたが、時代の変化でそうした機会が減り、技術の研さんや継承が難しくなっているという。事業では講習会の実施などで技術保持者の育成を図るほか、修繕の方法を動画に記録して動画サイトで公開するといった形で普及を図る。

 (島袋良太)