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「沖縄の産業まつり」見どころは? 実行委員会・古波津昇会長「突然ブレークの面白さ」<焦点インタビュー>


「沖縄の産業まつり」見どころは? 実行委員会・古波津昇会長「突然ブレークの面白さ」<焦点インタビュー> 「沖縄の産業まつり」について語る実行委員会の古波津昇会長=22日、県工業連合会
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 「第48回沖縄の産業まつり」が25日、那覇市の奥武山公園と県立武道館で開幕する。27日まで。昨年はコロナ禍を経て4年ぶりの制限なしの開催となり、31万人余が来場しにぎわいを見せた。見どころなどを実行委員会の古波津昇会長(県工業連合会長)に聞いた。

 ―出展状況は。

 「今年の出展社数は426社(企業、団体、個人)で、昨年の393社から増えている。(県立武道館での)屋内展が18社増で、屋外は商工会特産フェア『ありんくりん市』など計15社増。名実ともに県内最大級のイベントになり、バイヤーにも見本市として活用いただいている。商談の機会も強化していきたい」

 ―新たな取り組み、見どころは。

 「屋内では、持続可能な観光に取り組む『エシカルトラベルオキナワ』やユネスコ無形文化遺産登録に関する泡盛、琉球料理の展示などがある。かりゆしウエアのカラー診断は、昨年初日のお昼には予約が埋まるほど好評だった」

 「昨年に続いて県の優良県産品の即売があり、キャッシュレス決済も呼びかけている。1万円を超える泡盛の古酒など欲しい高額商品があった場合に、現金を持っていなくてもご購入いただけるし、出店側の人手や事務削減の一助にもなる」

 ―会場は那覇空港に近く、観光客へのアピールの機会にもなる。

 「近年はインバウンド(訪日客)で西洋の方も見かけるようになった。日本の中でも異文化の沖縄は興味深いだろうし、今の時代、何がヒットするかは分からない。産業まつりに出店した市町村の小さな産品がネットで発信され、ブレークするかもしれない面白さがある。新しいもの、以前からあるもの含めアピールしていきたい」

 ―県産品の販路拡大や製造業の課題にどう取り組むか。

 「島しょ地域ならではのサーキュラーエコノミー(循環経済)の考え方が大事になる。廃棄せずに再利用できる物は意外にまだまだある。亜熱帯地域でウコンやシークヮーサーを使った健康飲料などが全国に知られてきた。まだ知られていない薬草もあり、高付加価値のある製品づくりにつなげることが必要だ。沖縄の台風被害からの復旧技術には優位性があり、こうした分野も日本の財産として展開していけるのではないか」

(聞き手 當山幸都)