岩手から「ありがとう」　冷害時の種もみ　沖縄で支援　交流30年、地元3紙に広告

　琉球新報社は岩手日報社、沖縄タイムス社3紙合同企画として、10月26日付で「沖縄へ、30年目のありがとう。～岩手のブランド米発売30周年　『金色の風』『銀河のしずく』PR事業～」（特別協賛・JA全農いわて）の全面広告を掲載した。

　1993年の大冷害で深刻な米不足に見舞われた岩手県は沖縄県の協力を受け、石垣島で「種もみ緊急増殖事業」を行い、危機を乗り越えた歴史がある。同事業で生産された米は、沖縄と岩手の絆を象徴し「かけはし」と名付けられ、1994年10月26日に岩手県初のオリジナル水稲品種として市場デビューした。以来両県では農業分野だけでなく、スポーツや教育分野でも交流が続く。「かけはし」の後輩ブランドとして「金色の風」「銀河のしずく」は市場で高い評価を受けているという。

　広告では、岩手、沖縄の生産者3人のメッセージを紹介。琉球新報には「金色の風」生産者の森岡誠さん（73）＝奥州市＝が「寒さの夏、沖縄は岩手の『太陽』でした」と感謝の気持ちを寄せた。3紙を横に並べるとアーチ状の“架け橋“が現れるほか、各紙面の“お米の便せん”は両県の絆と30周年のお祝いをイメージした赤い糸（水引）でつながる趣向だ。

　広告を企画した岩手日報社総合ビジネス局ビジネス開発部の上中基樹専任部長は「両県の絆がより深まり、それぞれの地域で生産される米の価値を見つめ直し、消費拡大につながるきっかけになれば」と話した。岩手日報はPR事業の特設サイトも公開。11月1日から県庁や石垣市でのPRキャラバンも予定されている。特設サイトはhttps://www.iwate-np.co.jp/content/okome/

（石川理香）