オレンジの皮など農作物残さを使い自然由来の超吸水性ポリマーを製造するEFポリマー(恩納村)が、小売店を通じた販路開拓に取り組んでいる。
今月1日からホームセンターのメイクマンの協力を得て、沖縄本島7店舗で製品の販売が始まった。これまで訴求してきた農家に加え、市場が拡大する家庭菜園、園芸向けに製品を拡充し、需要掘り起こしを図る。
メイクマン浦添本店と豊見城、ニューマン、一日橋、具志川、名護、美浜の計7店舗で取り扱っている。EFポリマーとしてホームセンターでの展開は全国初。
EFポリマーの製品は石油由来の従来品とは異なり自然由来で、土と混ぜると保水力や肥料分を保持する保肥力に効果を発揮する。最大で水4割、肥料2割の削減効果があり、1年ほどで完全に分解されるため地球に優しい保水材として特に農業分野で注目されてきた。創業者のナラヤン・ガルジャール代表の出身地のインドや日本、米国に加え今年6月からフランスで販売が始まった。
コロナ禍もあり、家庭菜園やガーデニングの市場規模は拡大している。EFポリマーで広報やマーケティングを担う中尾享二マネジャーは「若い層の需要もあり、さまざまな業界の企業がガーデニングに参入しようとしているトレンドもある」とみる。
メイクマンとは2年前から意見交換や調査などを進め、販売に至った。野菜などの育て方に関する質問はよく寄せられるという同社の山内浩一郎常務は「初めての方でも失敗しにくい便利なアイテムになる。県内企業として沖縄発の商品を応援する使命もある」と語った。
扱う商品は100グラム(税込み598円)と500グラム(同1980円)で、それぞれ粒と粉の2種類ある。65センチの長さの一般的なプランターであれば28グラム混ぜることで半年間吸水と放水を繰り返し、生物の成長を促す。
メイクマンでは10月末から各店舗の誕生祭が順次あり、11月16~17日には「秋のガーデニングセミナー」が予定される。EFポリマーを使った育て方についても案内する予定だという。
(當山幸都)