作物残さを原料とする自然由来の超吸水性ポリマーを作るEFポリマー(恩納村、ナラヤン・ラル・ガルジャールCEO)は3月上旬から、本部町でパイナップルのゴールドバレルを生産する美らSUNファームと連携し、同品種で初となるポリマーの実証実験を始めた。
27日に同ファームで生育状況などの説明会を開いた。
超吸水性ポリマーを農地にまくことで、土壌の保水力や保肥力を向上させ、収穫量の増加や肥料コストの低減が期待できる。
実証実験では、畑にポリマーを不使用、170グラム使用、425グラム使用の3種類の畝を用意し、各畝に100株ずつ植え付けた。植え付けから約3カ月半が経過し、ポリマーを425グラム使った畝に植えた株は不使用の畝の株と比べ、葉の長さや広がり方が大きくなった。梅雨時に、例年は100株中約20~30株ほど発生する根腐れが10株以下になる効果も見られた。
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ファームの城間毅代表によると、ゴールドバレルは植え付けから最初の収穫まで2~3年ほどかかる。ポリマーを使うことで、本来8カ月ほどかかる大きさに半分の期間で達したことに驚き「1年半以内で収穫できるのではないか。ポリマーに可能性を感じる。他の果樹でも効果が広がるのではないか」と期待した。ファームは今後、3~4年かけて完全有機栽培を目指す。
EFポリマーの島袋優さんはファームの協力に感謝し「生育速度が上がることで回転率が上がれば農家の収益アップにもつながり、削減できた時間で他の作業ができる。農家の生産性と収益性の効率アップにつながればいい」と願った。
(武井悠)