県商工会議所連合会と県商工会連合会が10月31日に発表した7~9月期の中小企業景況調査は、前年同期と比較した全産業の業況判断DIがプラス2・7となり「堅調」だった。前年同期のDI(プラス14・8)に比べプラス幅が大幅に縮小したが、新型コロナウイルスの5類移行で観光需要を中心に伸び幅が大きかった昨年の反動の影響があり「実態としては堅調に推移している」と評価している。
産業別の業況判断DIは、公共工事が順調な建設業でプラス幅が改善した。サービス業は前年同期の反動の影響もありマイナスだった。
売上額DIは全産業でプラスとなり、全業種で「好転」したと回答した企業数が「悪化」を上回っている。
一方で、経常利益DIは全産業で4期連続のマイナス。売上高は改善傾向がみられるも物価高や人件費増、人手不足を背景に利益水準は「悪化」と回答した企業数が多い。ただ、10~12月期の経常利益DIはプラスに転じる見通し。
仕入れ単価の高止まりが続くが、売上単価への反映は一定程度にとどまっているとみられ、担当者は「価格転嫁は進行しているが、まだまだ余地がある」と説明する。経営上の問題点を問う質問では、各業種で原材料価格上昇や従業員の確保難、人件費の増加を挙げた。
(當山幸都)