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他学年の教員同士で「対話の時間」 働きやすい学校持続、結束や生活指導にも 沖縄、うるま・中原小


他学年の教員同士で「対話の時間」 働きやすい学校持続、結束や生活指導にも 沖縄、うるま・中原小 「対話の時間」の様子。毎回違ったテーマで話し合う=1月、うるま市の中原小学校(提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 うるま市の中原小学校で「支え合いの実感を伴う風土づくり」の取り組みが、教員の働きがいや子どもたちの活躍を下支えしている。他学年の教員同士がテーマを持って話し合う時間を持ち、意見を提案しやすい雰囲気をつくり、学校のチーム力を高めている。新型コロナ下で教員も子どもも関係が希薄になった側面があるが「相談しやすくなったことで新しいことにもチャレンジしようという空気が生まれている」と好評だ。

 松田健史校長が同校に赴任したのは2023年4月。業務の引き継ぎを受けながら大里元児前校長と話したのは「人事異動で教職員が変わっても、働きやすくて働きがいのある環境を維持したいね」という「持続可能な学校づくり」だった。そこで松田校長は大里前校長が取り組み始めた「対話の時間」を継続して進めた。

 「対話の時間」はNPO法人「学校の話をしよう」がファシリテーターを務め、月に1回、「自分の強みとは」など毎回違うテーマで話し合う。毎月の会議を減らして時間を確保した。他学年の教員同士で話すことで学校全体の結束が強まり、学年をまたいだ生活指導もやりやすくなった。

 チーム力の強化は児童の自己実現にも役立っている。同校では子どもがやりたい企画を企画書にまとめて提案する別の取り組みもあり、教員同士のチームワークで企画の実現数も増えた。

 髙江州尚宏教諭は「伸び伸び仕事できるようになった。子どもたちも自分の企画が形になることで自信になっている」と話す。

 初任者の金城幸香教諭も「みんな忙しそうで、相談するのを遠慮することがある。でも定期的に話し合いの場があると言い出しやすい」と効果を語った。 

(嘉数陽)