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誰もが楽しめる多様な読書 知念秀明(県教委高校生読書リーダー 育成研修担当) <未来へいっぽにほ>


誰もが楽しめる多様な読書 知念秀明(県教委高校生読書リーダー 育成研修担当) <未来へいっぽにほ> 知念秀明(県教委高校生読書リーダー育成研修担当)
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 「小学3年生のケンくんが自分の部屋で『読書』を楽しんでいます」。さて、あなたはどのような光景を思い浮かべましたか?

 ケンくんが楽しそうに文字の書かれた本を読んでいる姿ですか? でも、もしかしたら、読んでいるのは紙の本ではなく、タブレット端末かもしれません。さらに読み上げ機能がついている本で、「耳を使って読んでいる」かもしれません。ケンくんは「手で触って」本を読み取っているかもしれませんし、日本語の本ではなく外国語の本を読んでいるかもしれません。読書と言っても紙の上に書かれた活字を読むこと以外にも、実は多岐にわたります。

 2019年に「読書バリアフリー法」が制定され、文部科学省は障がいの有無にかかわらず、すべての人が読書による文字・活字文化の恩恵を受けられるようにしています。この法律は、さまざまな障がいのある方が、利用しやすい形式で本の内容にアクセスできることを目指しています。

 皆さんの近くにある図書館も、多様な子どもたちに読書の機会を提供するために、さまざまな本を用意しています。例えば、「大活字本」や「点字図書」、「さわる絵本」などです。またデジタル図書「マルチメディアDAISY」では、文字や画像をハイライトしながら、その部分の音声と一緒に読むことができます。

 教育委員会の調査では、「五感を用いた読書」をする児童・生徒がいることが分かっています。このため、私たちは「第5次沖縄県子どもの読書活動推進計画」で、多様な子どもたちの多様な読書スタイルを支援するため、読書の再定義を行いました。皆さんも、さまざまな「読書」を楽しんでみませんか?