prime

<記者コラム>気になる働き方 外間愛也(暮らし報道グループ教育班)


<記者コラム>気になる働き方 外間愛也(暮らし報道グループ教育班)
この記事を書いた人 Avatar photo 外間 愛也

 思い返すと子どもの頃、平日に父の姿を見ることはあまりなかった。浦添市や那覇市で中学校の音楽教員として働いていた父は、吹奏楽や合唱の指導、生徒指導などで忙しく、朝は私が起きる前に家を出て、夜は寝てから帰るのが常だった。今思えば、教員の多忙さは古くからある課題なのだろう。

 新年度に入り4月から教育担当として、学校現場や教育行政などを取材している。子どもたちの笑顔に触れる取材や、学校の先進的な取り組みを紹介する取材は楽しくやりがいを感じるが、一方で気になるのは教員の働き方だ。県教育委員会も働き方改革に努めているが、まだまだ道半ばだ。

 新年度、県内公立学校では必要な教員数に対し、12人の未配置が生じた。未配置は例年、年度後半にかけて増える傾向があり、現場からは「補充もなかなかなく、残った先生にしわ寄せがいく」「負担がかかった先生が休んだり辞めたりすることもあり、負のスパイラルだ」と悲痛な声も漏れる。

 子どもたちに夢を与え、それぞれが目指す将来へと導く教員の仕事は本来、やりがいに満ちた職業だと思う。生意気で先生にかみついてばかりいた私が今記者として働いているのも、納得がいくまで話に付き合ってくれた先生方がいたからだと感じている。全ての教員が子どもたちに寄り添い、自らも希望を持って働き続けられる環境をいかに整えるか。記者の立場でできることを考え続けたい。