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興南高校が「短歌甲子園」で優勝、沖縄県勢初 三十一文字に込めたきらめき


興南高校が「短歌甲子園」で優勝、沖縄県勢初 三十一文字に込めたきらめき 短歌甲子園で優勝し笑顔を見せる(左から)下園茉央さん、知念ひなたさん、與那嶺陽大さん=22日、那覇市の興南高校
この記事を書いた人 Avatar photo 外間 愛也

 全国の高校生が自作の短歌の出来栄えなどを競う第14回牧水・短歌甲子園(日向市など主催)が17、18の両日、宮崎県日向市で開かれた。県代表の興南高校が初出場で初優勝した。大会事務局によると沖縄県勢の優勝は初めて。大会には17都府県の31校から52チームが参加し、予選を勝ち抜いた9チームが本戦で短歌の腕を競った。

 大会は3人1チームで、本戦は1次リーグ、準決勝、決勝まで、お題に沿った歌を事前に提出して競い合う。興南は俳句部3年の與那嶺陽大さん、知念ひなたさん、2年の下園茉央さんが出場した。

 試合ではそれぞれの歌を1分間アピールし、対戦相手の歌についてどのような表現をしたらより良くなるかなどを講評し合う。悪い点を指摘するのではなく、互いに高め合おうという趣旨だという。

 決勝で「夜はすぐに来てハロハロ溶けきって君に白髪がある月明かり」の歌を詠んだ知念さんは「いろいろな人に歌を見てもらい、すてきな選評をもらってうれしかった」と喜んだ。知念さんは、1次リーグの「人間は濡(ぬ)れたらきれいゆるやかに恋は樹林のように果てるの」の歌で、審査員特別賞に当たる大口玲子賞も受賞した。

 「語感を意識して歌を作っている」という與那嶺さんは、「天国で借りる予定のアパートは日当たりのいい海岸にある」と詠んだ。「これからも短歌を続けたいと思える大会だった」と思いを新たにしていた。

 下園さんは「灯を落とすメリーゴーランドを君と夜風にあたりながら思った」と詠んだ。「先輩2人と大会に出られたことが素直にうれしかった。31字ある短歌は思いを込めやすく、大会を通してますます引かれた」と笑顔で語った。

 俳句部顧問の安里恒佑教諭は「初日のディベートは荒さもあったが、一戦一戦生徒の成長が見られた。今後も俳句や短歌に親しんでもらえたらうれしく思う」と語った。

 興南は24、25日に愛媛県であった俳句甲子園でも準優勝に輝いた。 

(外間愛也)