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「恋をした20代、ラブソングどころじゃ・・・」 加藤登紀子コンサート 歌声と泡盛に酔いしれる 沖縄市


「恋をした20代、ラブソングどころじゃ・・・」 加藤登紀子コンサート 歌声と泡盛に酔いしれる 沖縄市
この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子

 1日に沖縄市のミュージックタウン音市場で開催された、歌手の加藤登紀子の歌とお酒を楽しむ「コザで乾杯 加藤登紀子ほろ酔いコンサート2023」(琉球新報社、ミュージックタウン音市場主催)。加藤はオリジナルのラブソングから反戦歌、「百万本のバラ」「知床旅情」など往年の名曲までたっぷりと披露し、観客らは加藤の歌声と泡盛に酔いしれた。

 舞台は「裸足になって」で開幕。「灰色の季節」「愛さずにはいられない」「難破船」と続けて「愛の歌を駆けつけ3杯で」(加藤)披露した。40代にひたすら恋の歌を作った加藤。「恋をしていた20代はラブソングどころじゃなかった」と振り返り、「愛のくらし」をしっとりと歌い上げた。

 中盤では、沖縄でのほろ酔いコンサートが11回になることを喜び「このコンサートがあるから元気でいられる」と、泡盛をついだ琉球ガラスを傾け「酒がのみたい」を楽しく歌った。

 宮沢和史の「島唄」では祈るような歌声を響かせた。世界各地で紛争が続く現状に触れて「こんな21世紀を迎えるはずだったのか」と投げかけ、「果てなき大地の上に」を歌った。「何のための戦争だったか誰も答えない」と歌詞に思いを込め「ノーウォーフォーエバー」と力強く歌った。

 コロナ禍に作った「この手に抱きしめたい」では、優しい歌声が心を温めた。後半では「遠い祖国」やジョン・レノンの「IMAGINE」などを披露。今年ジョージアでも歌った「百万本のバラ」ではこみ上げる涙を拭う様子も見せた。名曲「知床旅情」は奥行きのある歌声が会場を包み込んだ。

 「絶対に平和であり続けないといけない」。加藤の強いメッセージと優しい愛の歌がいつまでも胸に鳴り響いた。

 (田吹遥子)