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【特別インタビュー】「円神」のエーリックと宮里ソル 「沖縄アリーナ」「首里城」…夢への道筋 


【特別インタビュー】「円神」のエーリックと宮里ソル 「沖縄アリーナ」「首里城」…夢への道筋  色紙を手にする円神のA.rik(左)と宮里ソル=(喜瀨守昭撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 安里 洋輔

 2人のうちなーんちゅが夢への階段を駆け上がっている。歌とダンス、芝居もこなす男性パフォーマンスユニット「円神」のメンバーとして活躍するA.rik(エーリック)(30)=沖縄市出身=と宮里ソル(26)=北谷町出身。県出身の與那城奨がリーダーを務める男性グループ「JO1」を生んだ日本発のサバイバルオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」でチャンスをつかんだ。「3年以内に沖縄アリーナでライブをする」と声をそろえる2人の視線の先には、世界とつながる大海原が広がっている。

 「沖縄の番組にもいっぱい出たいし、お祭りにも出たい」とエーリックが声を弾ませた。宮里が続く。「子どもたちに憧れられる存在になりたいですね」。冬本番が迫る昨年11月下旬に行った東京都内でのインタビュー。のっけから故郷へのあふれる愛情を語る2人の周囲には、島をなでる温かな南風のような空気が流れていた。

 エーリックは26歳でデビューを果たした。米軍基地で働く両親の影響で、幼少期から洋楽に親しみ、中学でカナダのポップ・スター、ジャスティン・ビーバーと出会ってダンスに目覚めた。「同年代でこんなことができるんだ、と衝撃を受けた。人前に出ることは好きだったけれど、この頃から芸能界を意識し始めた」と振り返る。

 19歳から20代前半まで県内を中心に芸能活動を行ったが、ブレークには至らず。「最後のチャンス」と受けた番組オーディンションが飛躍のきっかけになった。

 宮里は活発な少年だった。5歳から習う空手では、組み手の大会で世界2位になり、父親の影響で始めたサーフィンはプロ級の腕前を誇る。運動神経はずば抜けている。

インタビューに答える宮里ソル

 一方で、芸能界への憧れを抱き続け、日本体育大学に進学するために上京した後は、オーディション通いを続けた。世代も生い立ちも違う2人だが「よくご飯も一緒に行く」と息はピッタリ。うちなーんちゅとして、同じ空間、同じ空気を共有してきたことが2人の絆を深めた。

 宮里は、昨年9月にシングル発売記念イベントのために北中城村のイオンモール沖縄ライカムを訪れた。この時を「思ったよりもたくさんの人が集まってくれた」と感慨深く振り返った。「でも」とエーリックと顔を見合わせ「もっともっと多くの沖縄の人たちに僕たちのことを知ってほしい」と笑った。

 「首里城の正殿はいつ完成でしたっけ?」とエーリック。2019年10月に火災のため焼失した「沖縄のシンボル」の復元は2026年を予定している。「じゃあ、それまでにアンバサダーに選ばれるぐらいにならないとね」と2人。新たな夢への道筋を確認し合った。

(安里洋輔)

円神(えんじん)

 2020年結成。オーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」に出演した元練習生で構成する。歌・ダンス・芝居を融合させた新ジャンルのパフォーマンスが特徴。メンバーそれぞれが俳優やアパレルなど個人活動も展開する。