沖縄の海も街も好きだけど、やっぱり人が好き! 近藤真彦さん・野村義男さん


沖縄の海も街も好きだけど、やっぱり人が好き! 近藤真彦さん・野村義男さん 2023年に続き今年も沖縄でライブを開催した、近藤真彦さん(左)と野村義男さん(右)。インタビュー場所にあったドラムセットでポーズ。「映画『嵐を呼ぶ男』(1983年公開作品)を思い出す」と話す、2人の笑顔が印象的でした。近藤さんは実際にドラムをたたけるのだそうです。
この記事を書いた人 アバター画像 饒波 貴子

1980年代に国民的アイドルとして社会現象を巻き起こすほどの人気を誇った、近藤真彦さんと野村義男さん。トップスターでありながら、近藤さんはカーレース界でも活躍。レーシングチーム「KONDO RACING TEAM」の監督であり、日本レースプロモーション(JRP)の会長も務めています。そして日本屈指のギタリストとして知られる野村さん。それぞれのフィールドで存在感を放ちながらも、ステージでは魅力的なパフォーマンスで観客を楽しませてくれます。

そんな近藤さんと野村さんが「MasahikoとYoshio Live Tour 2024」で1月に来沖。沖縄の話題を中心に話を伺いましたが、仕事面で信頼を寄せプライベートでも仲が良い2人の素顔が伝わってきました。

※取材日:2024年1月28日
聞き手:饒波貴子(フリーライター)

人からいいものを取るのがマッチ流!?

―1年ぶりの沖縄ライブ。今年も来てくださり、ありがとうございます。

近藤:こちらこそありがとうございます。

野村:今年も来ることができてうれしかったです。

―今年のライブは、アルバム曲が中心のセットリストでしたね。デビュー当時から90年代後半までのアルバム曲でしたが、近藤さんが選曲しましたか?

近藤:スタッフと選びました。以前からずっと一緒にやっているスタッフもいるので、相談したんですよ。「ギンギラギンにさりげなく」や「愚か者」などのシングル曲を期待する方が多いでしょうが、今年は一切歌いませんでした(笑)。ソロライブはいくつかバリエーションがあって、ヒット曲オンパレードのツアーもありますよ。

―ほとんどがアルバム曲なのは意外でしたがステキな曲が多く、楽しめました。野村さんが20数年前に提供した「君のためにサヨナラ」を久しぶりに聞き、名曲だと改めて思いました。

近藤:聞けば聞くほどいい曲だと僕も思っています。

野村:アルバムに入れる曲をと依頼を受け作った曲です。完成した時いい仕上がりになったと思い、「自分で歌いたい、提供するのはもったいない」という気持ちで渡したはずですよ。でも、いいものは絶対に人にあげた方がいいですね。

近藤:僕が長く仕事ができる秘訣はそれ! 人からいいものを取る!

野村:「取る」って言い方やめなさい(笑)!

近藤:織田哲郎さんのいいものを取り、マーシー(真島昌利さん)からはアンダルシアを取る(笑)。

野村:だから「取る」って言い方はやめなさい(笑)!

近藤:僕は歌詞を書いたり曲を作ったりする才能がないので、人のいいところをいただくんです。その方の才能を僕を通してファンの方に披露しているんですよね。野村さんが自分で才能を出すよりも、僕のフィルターをちょっとかけることでマッチ味が付き、みなさんにご賞味いただくと。これが僕の長く歌っていられる秘訣です。

野村:本当にそう思いますよ。マッチくんがあの曲を歌ったことで、良くなったのを知っていますから。

―野村さんもうれしいんですね。ステージで少し歌う場面もありましたね。

野村:もちろんうれしいです。「歌えるんだから歌ってよ」とリハーサルで急に言われたんです。

―今回のライブ、野村さんのギターは当然ながら最高でした。そしてステージで踊っていましたね。あんなに踊っている姿、初めて見ました。

野村:ワンステージであれだけ踊ったのは、生まれて初めてです。

近藤:このステージをやることになった瞬間に、野村さんは恥ずかしさを捨てました。

野村:はい、捨てました(笑)。

―近藤さんが踊ってと指示したんですか?

近藤:違います。気が付いたら踊っていました(笑)。

野村:踊ってなんて一切言わない。「ちゃんとギター弾いてください」とは言いますけどね。

―野村さんが踊ると一緒に踊りたくなり、楽しかったです。そして沖縄の人間としてうれしかったのが、三線風ウクレレで演奏してくださった「島人ぬ宝」。盛り上がりましたね。

野村:「めんそーレレ」です。去年来た時にマンガ倉庫で買った三線と、ウチにあったウクレレを合体させました。

―ボディは本物の三線なんですね。それもマンガ倉庫で買ったなんて。近藤さんは知らないお店ですよね!?

近藤:どんな所か、昨日教わりました。

野村:沖縄に来ると大抵行っていて、去年は車で各店舗を回りました(笑)。

近藤:マンガ倉庫の話は、2人でやってください(笑)!

―本土から来て、行く人は少ないでしょうね(笑)。めんそーレレで「島人ぬ宝」披露は、他の地域でもやったんですか?

野村:やっていなくて、沖縄だけの演奏でした。

近藤:他では「来来星屑港―ライライ・スターダスト・ベイ―」という僕の曲を歌っています。でも沖縄に来たので「去年もやったから今年もやりたい」ってヨッちゃんが言うから、「もちろんやってください」と答えました。僕が着替えている最中のコーナーなので、何をやっているかはよく分かっていませんが、大騒ぎしているな~って思っています。

野村:沖縄のお客さんはみんな熱いもんね。

―以前、お2人が「沖縄の人はノリがいい、体でリズムにのる」と話していたのを聞いた記憶があります。

野村:踊るし歌うし、やっぱりすごくすてきです。

近藤:沖縄にいるから分からないんだろうけど、外から来た僕がステージから客席を見た時、音に対して体を動かすのがクセになっているというか、動くのが当たり前という人が多いと思うんですよ。

野村:自然というかね。

近藤:そう。他県のコンサートでは近くの人が動いたりリズムを取っていたりするのが伝わって、自分ものってきたな~とつられる感じの方が多いと思う。沖縄の人は他の人は関係ないよね。1人でも体が動いちゃう。人にのせられるのではなく、自分で楽しみたい気持ちがある県民性なんだろうなと強く感じます。