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巨大原画に鳥肌立つ 名シーンの数々を“体感” <キングダム展 沖縄へ―その魅力に迫る>3


巨大原画に鳥肌立つ 名シーンの数々を“体感” <キングダム展 沖縄へ―その魅力に迫る>3
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 【でかすぎてよく解らねェ!!!】信と同じ目線で、初対面の衝撃を共有したようだった。3メートルの大きな特注のキャンバスに描かれた今にも動き出しそうな王騎将軍。初対面で反射的に湧き出てきた信の感情を、展覧会で私も“体感”したような気持ちになった。

 原泰久先生が日々の連載をこなしながら、展覧会用のためだけに約4日間かけて描きおろしたもので、膝が痛くならないようビート板を膝の下に置きクッションがわりに使いながら少しずつ描き進めていったらしい。信と同様、王騎将軍に圧倒され、私も鳥肌が立った。

 展覧会では、視覚だけでなく耳でも楽しむことができる。

 「しとしとしと…ゴロゴロ」

 降り出した雨が激しさを増し不気味な雷が戦場に鳴り響く輪虎との戦闘シーン。

 この原画も展覧会の見どころの一つだ。

 「雨の中で血が流れ、ずぶ濡(ぬ)れになりながらの戦闘シーンをリアルに描くというのは想像以上に大変な作業で、週刊マンガで描くには相当つらかった。あれを経験したから僕の記憶ではそれ以来、戦闘シーンで雨は降っていません(苦笑)」

 原先生が描くのに一番大変だったと語る輪虎との壮絶な戦いは、雨の中での貴重な戦闘シーンだ。みなさんも臨場感たっぷりに堪能してほしい。

展覧会描きおろし「でかすぎて解からねェ」(C)原泰久/集英社

 また、展覧会で改めて強く感じたことは、キングダムの最大の魅力は【登場人物が発する言葉の力強さ】だということ。原作で心を打たれ、涙した名シーンの数々を展覧会では“体感”することができる。会場に行けば何度でもあの名場面に立ち会える気がしてリピートしてしまうのだ。(来場者特典のしおりもコンプリートしたい!!!笑)


 すぎはら・あい ラジオ沖縄アナウンサー、広島県出身。午前中放送の生ワイド番組「まいたの」金曜日のほか、スポーツ番組・中継なども担当。キングダムは生き様を学ぶ人生のバイブル! 好きなキャラクターは河了貂(かりょうてん)・政・蒙恬(もうてん)。


 「キングダム展―信―沖縄会場」は5月12日まで那覇市の県立博物館・美術館で開催中。当日券は一般1500円、高校・大学生千円、小・中学生500円。問い合わせは同館、電話098(941)8200。