今秋全国公開! 「島ぜんぶでおーきな祭 第16回沖縄国際映画祭」上映作品、『おしゃべりな写真館』


今秋全国公開! 「島ぜんぶでおーきな祭 第16回沖縄国際映画祭」上映作品、『おしゃべりな写真館』 北海道・十勝平野の北部「鹿追町」に建つ歴史ある写真館を舞台にした人間模様を描く、映画『おしゃべりな写真館』。(左から)藤嘉行監督、出演俳優の賀来千香子さん、中原丈雄さん・山木雪羽那さんに話を聞きました。
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4月20日(土)・21日(日)に開催、多くの観客が来場した「島ぜんぶでおーきな祭 第16回沖縄国際映画祭」。31本の映画が上映され、映画ファンの注目を浴びました。

中でも監督と出演者が舞台あいさつに登壇し「特別招待作品・オキナワプレミア」として上映された『おしゃべりな写真館』は、北海道を舞台に人と人の触れ合いを描いた感動作。この秋、全国公開が予定されています。来沖時に藤嘉行(ふじ・よしゆき)監督、俳優の中原丈雄さん・賀来千香子さん、山木雪羽那(やまき・ゆうな)さんに聞いた見どころなどを紹介します。

写真提供:沖縄国際映画祭/よしもとラフ&ピース
聞き手:饒波貴子(フリーライター)

十勝・鹿追の美しい四季と人々の交流映す

―北海道を舞台にした作品『おしゃべりな写真館』が沖縄国際映画祭で上映。めずらしい縁だと思いましたが、映画祭参加の感想を教えてください。

中原:本作に1年ほど携わり雪をはじめとした北海道の自然の中で演じていたので、沖縄で上映できる新しい喜びを感じています。北と南という意味でも感じるものがあり、とてもうれしいです。

賀来:私も同じです。北と南ですが大自然には共通するものがあり、みなさんの心に響くところも多いのではないかと思います。私自身も北海道の撮影に参加したことがとてもうれしく、鹿追町は素朴で素晴らしい町でした。然別湖(しかりべつこ)の絶景を見ることができましたし、北海道の良さを感じました。沖縄も本当にすてきなところですし、北海道で撮った映画を沖縄に持って来て映画祭に参加でき、レッドカーペットを歩かせていただくことをとてもうれしく思います。

山木:空港から移動する時に大きな龍の像が見えたり、海があって海底トンネルになっていたり、「沖縄です!」という実感がすごくありました。北海道とは全然違いますが、どこか通じるものがあると思ったりもします。子どものころに1回来たことがあってパイナップル園でパイナップルの車に乗ったと記憶していますが、あまり覚えていないので今回、沖縄国際映画祭で沖縄に来ることができて、とてもうれしいです。

監督:雪を初めて見ました、というようなことを映画鑑賞後に言われるとうれしいです(笑)。ああいう雪景色は実際に行ってみないと出合うことができません。十勝は平野なので全面雪で、北海道の中でも特別です。函館や海に近い地域とは景色が違うので、沖縄の方が見ると新鮮に映るかもしれませんね。

―沖縄の私たちに北海道の景色を紹介する意味でも、見応えのある作品でした。北海道ではどういう反応でしたか?

監督:景色を見るだけでもきっと喜ぶ方がいる、という思いはありました。そういう感想があるととてもうれしいですね。北海道では2月の終わりから上映し、特に地元の映画館では4週間で5000人くらい見てくださって、すごく盛り上がりました。札幌はじめ他の地区でも上映しましたが、道内でも地元から離れると見る方はそんなに多くはありません。でもこの映画は大きく宣伝してドカンと人が来るわけではなく、1回見てくださった方が口伝えで紹介してくれる映画だと思っているんです。細く長く上映してリピーターが付いてくる、と思っているんですよ。