饒波 貴子 << 1 ｜ 2 ｜ 3 >>
「前もってチケットを買ってほしい！」
―ぴんくさんの「ファンタジー漫談」、正直なところ最初は世界観についていけませんでした。今年3月に行われたイベント「Output LAUGH PROJECT アベンジャーズ SPECIAL」で実際にネタを見て、どんどん引き込まれたんです。牧志や宜野湾など地名を出す絶妙な沖縄テイストもあり、楽しかったです。
ついていけない人は多いと思います（笑）。地名を出す時はリアリティーある距離感にしたいので、あの時はマネージャーに教えてもらい、直前に沖縄の芸人さんに聞いたりもしました。お客さんは以前は男性が多かったですが最近は女性も増えて半々くらいになっていますし、老若男女来ていただいている印象です。みなさんにウケるネタをやらないといけませんし、去年の沖縄独演会も幅広い客層の方に来ていただいた記憶です。沖縄の方は「ここで笑う」という前の含みの段階から笑っちゃう感じがありましたし、ワクワクして聞いてくれているのが分かったんですよ。前のめりに笑おうとしてくれているのが伝わってきて、Outputのお客さんに完全に乗せられました。1年半後にまた行けて本当にうれしいですが、ひとつお願いがあります。行こうと思っている方は、ぜひ前もってチケットを買ったり予約をしていただきたいんです。去年は3分の1の人数しか予約が入っていなくて、不安だったんですよ。でも実際は立ち見が出るくらいの振り幅で心配したので、今年は安心させてほしいです（笑）。
―切実なお願いですね。県民性もありギリギリにチケットを購入するパターンが多いかもしれません。他の会場はいかがですか？
愛媛や新潟は日程がまだ先ですが、半分以上は埋まっています。小規模な会場ですが予想よりも反応が良くて満員になるでしょうから、その状況を沖縄の方に伝えたいですね（笑）。独演会なのでいろいろな漫談をお見せします。ぜひ来てください！
―全国を回るツアーは経験してきましたか？
完全に初めてです。ツアーと聞くと、10公演くらいのスケジュールは1カ月程度でギュッと集中するイメージでしたが、今回の僕は2カ月ちょっとかけるので、しっかり準備をしながら回る感覚です。同じ内容を詰め込んで弾丸で駆け抜けるのも楽しいけれど、沖縄で反応が良かったネタは札幌や仙台ではどうだろうとか、見てほしいネタを冷静に取り組もうとか。そういうことを考えながら各地を回るのもめちゃ楽しいと、始まる前から考えているんですよ（笑）。
―人生初の全国ツアーで沖縄が初日、というぴんくさんと沖縄の縁を感じます。そしてツアー開催はR−1効果からですよね。2024年はすごい1年ですね。
沖縄でまた単独公演をやりたい気持ちはありましたが、こんなに早く実現できるとは予想していませんでした。R-1チャンピオンというタイトルが取れたおかげで、自信を持って全国を回れるようにもなりましたよね。悩んでいる時間はない1年ですがそれでも悩み、いつかはやらなきゃいけなかったことを今経験させてもらいながら過ごしています。本能でやりたいと思えるのはやっぱり独演会なので、Outputを皮切りに舞台欲がすごく出てきました。新たなR-1チャンピオンが誕生するまで、どんどん盛り上がります。
―桜坂劇場の舞台で披露した、ピカピカなR-1トロフィーがまぶしかったです。テレビで見たチャンピオンが翌日に沖縄に来たので興奮しました。M-1トップ2コンビの令和ロマンさん・ヤーレンズさんと勢ぞろいは豪華でしたし、たくさんのファンの方と記念写真を撮っていましたね。
寝ていない状態で大好きな沖縄に行くのはちょっと嫌でしたが、結局楽しかったです。自分が運んだふりをしたトロフィーはマネージャーが運んでくれて、日帰りしたので芸人仲間に冷やかされましたけどね（笑）。芸人さんも観客も沖縄のみなさんはとても温かく、「おめでとう」とたくさん声を掛けられ優勝を実感できました。会場の雰囲気が良くお客さんはめっちゃ楽しそうで、次の開催の時も参加させていただきたいです。むぎ（猫）ちゃんの姿は衝撃でしたが、ファンの方いっぱいでしたね。沖縄芸人さんとご一緒させてもらえたのもうれしかったです。
