県内で米軍基地に対する反発が強い中、米国が沖縄に中距離弾道ミサイルを配備する可能性は低い。ロシアが情報を流すことに、沖縄と米国の間にくさびを打ち込もうとする意図も感じる。
中国がミサイル開発を進め、米国の西太平洋における軍事的優位が脅かされている。米軍やシンクタンクでは、その現状にどう対抗するか頻繁に議論されている。その内容を踏まえた上で、海兵隊や陸軍、海軍の戦略を論じる必要がある。
アジアの中でミサイルを配備する話自体はある。米国が今後、短距離の対艦・対空ミサイルを沖縄を含め日本列島に配備し、中国のA2AD(接近阻止・領域拒否)戦略に対抗する形で、中国軍の進出を阻止しようとする可能性はある。
その際、自衛隊と米軍のミサイルの共同運用も想定される。ただ、中距離弾道ミサイルは射程が長く、中国からの攻撃が届かないよう、大陸から距離の離れた第2列島線付近に置かれる可能性が高い。
大陸に近い沖縄への配備は現実的ではない。
(国際政治学)