米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向け沖縄防衛局が2018年に移植した絶滅危惧種のオキナワハマサンゴについて今年10月末、新たに1群体の死滅が確認された。防衛局が12日に開催した「普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境監視等委員会」で委員に報告した。移植した9群体のうち、前回までに死滅・消失していた2群体と合わせ、3群体が死滅したことになる。
防衛局によると、新たに死滅が確定した1群体は移植後約5カ月後に物理的損傷が確認され、部分死が拡大していた。残る6群体のうち3群体も部分死が進んでおり、移植したサンゴの過半数で状態が悪化していることになる。良好な状態を維持または大きく改善したのは3群体にとどまる。
防衛局と環境監視等委員会は「死滅する割合は移植先にもともと生息していたサンゴと同程度」と説明しており、移植したサンゴによる再生産も確認していることから、移植は成功との見解を示している。防衛局は辺野古沿岸部への土砂投入を始めるため、埋め立て予定海域に生息していたオキナワハマサンゴ9群体について県から許可を得て18年7月27日~8月4日に移植した。高水温期に当たるこの時期の移植は望ましくないとの指摘が専門家から上がっており、当初は防衛局もこの時期を避ける計画だったが、途中で方針を転換し移植を実行した。