【ワシントンDC】沖縄文化発信 夢に 那覇出身・岸本さん 特許事務所で勤務


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ワシントンDCの特許法律事務所で働く那覇市出身の岸本芳奈さん

 米首都ワシントンDCの特許法律事務所で働く那覇市出身の岸本芳奈さん(39)は特許、商標、意匠に関する出願手続きの文書作成などに携わっている。

 米国は日本と違って独特の特許代理人制度を採用している。世界1位の経済大国での特許や意匠、商標の取得はビジネス上有利であり、知的財産権を守るためにも米国特許庁への出願申請は必須となってくる。

 事務所のクライアントの多くは、自動車メーカーなど日本の大手企業や個人事業主で、日系米国人などの弁護士、弁理士らが戦略的な特許出願や訴訟などを手掛けている。それらに必要な申請書作成にはビジネス英語と日本語の卓越した能力が必要だ。

 岸本さんは「6年前の入所当時からビジネス文書についてだいぶ鍛えられ、学ばせてもらっている。この仕事に必要なのは業務処理の速さと正確さ。細かい作業ゆえに集中力が必要」と語る。

 世界で活躍する日本企業を相手に仕事をし「役に立てていることを誇りに思う」と話す。事務所はホワイトハウスの近くにあり、トランプ大統領夫妻の姿や、厳重な警備の車両に囲まれた副大統領の移動、世界の要人などに遭遇することはよくある。

 「日々、ワシントンDCが政治の中心であることを認識させられるのが醍醐味(だいごみ)だ」と笑顔を見せ、将来の夢について「風呂敷などの文化を紹介し、日本と沖縄の美しく、かつ実用的な伝統文化を発信していきたい」と語った。

(鈴木多美子通信員)