辺野古の地盤、別の試験でも「軟弱」だった 設計には反映させず


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
県民投票から1年。名護市辺野古の新基地建設現場では、埋め立て用土砂の投入が続く

 名護市辺野古の新基地建設を巡って、埋め立て海域の水面下70メートルより深い地盤が軟弱であることを示すデータが見つかった問題で、防衛省が同じ地点で実施した別試験でも同様に強度の弱さを示す結果が得られていたことが分かった。同省は「地層構成を調べるため」の試験だとして、この結果を設計には反映させていない。同省は来月にも軟弱地盤の改良に必要な計画変更を県に申請するが、ここに来てその根拠を揺るがす調査データの存在が相次いで発覚している。

 問題のデータは、軟弱地盤が水面下90メートルまで及ぶと指摘される大浦湾側の「B27」地点で行われた「コーン貫入試験」で得られたもの。防衛省が昨年3月に国会に提出した辺野古の地盤改良に関する報告書に含まれている。

 コーン貫入試験はセンサーが付いた機器を突き刺して土の抵抗力を計測する試験で、沖縄防衛局の委託業者がB27を含む15地点で実施している。B27で得られた数値を「非排水せん断強さ」と呼ばれる値に換算すると、水面下70メートルより深い地点でも、地盤工学会の指標で6段階中2~3番目の軟らかさに相当する結果になっていた。防衛省はコーン貫入試験を実施したのは地盤強度ではなく地層の構成を確認するためのもので、あくまでも委託業者が自主的にまとめたものだと説明している。