犠牲者へ鎮魂の祈り 白玉之塔、遺族ら参拝


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集団自決(強制集団死)で命を落とした曽祖父母の名前をなぞる遺族=28日、渡嘉敷村渡嘉敷

 【渡嘉敷】1945年3月28日、沖縄戦時に渡嘉敷島で起こった「集団自決(強制集団死)」から75年を迎えた28日、渡嘉敷村の白玉之塔に遺族や関係者らが集まり、鎮魂の祈りをささげた。今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のために村主催の慰霊祭が中止となったが、朝から参拝者が絶えず、手を合わせて恒久平和を願った。 

 祖父母を「集団自決(強制集団死)」で亡くした宮城千恵さん(61)=宜野湾市=は、めいの平良美乃さん(26)=浦添市=と一緒に慰霊塔を訪れた。自決を生き延びた母親幸子さん(享年89)のことを思い返し「もっと当時のことを聞いておくべきだった。私たちは戦争がどんなに悲惨だったのか、学び続けなければならない」と話した。平良さんは「平和であるために、基地問題や教科書問題など、私たちが向き合うべき問題は多い」と語った。