新型コロナの米軍基地感染 知事は「情報を取り公表」へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 米国防総省が基地別の感染情報を非公開とする方針を示したことについて、玉城デニー知事は1日、本紙の取材に対し「公表はしないが(県として)情報は取れることを担当課と確認している」と答えた。その上で米軍から得た情報を「可能な限り公表したい」と語った。

 ただ、米軍はこれまでも詳細な行動歴や感染者の属性、居住地を明かしておらず、実際にどの程度の情報を米軍が県に伝え、県が県民向けに公表するかは不透明だ。

 玉城知事は全ての情報を公表するかどうかは「ケース・バイ・ケースだ」とも述べた。不安払拭(ふっしょく)や感染拡大防止のためにも可能な限りの情報共有が必要だとの認識を示した。感染情報とは別に「基地外に住む兵士やその家族の数はこれまでも求めているが県にも伝えられていない。万が一のことを考えたらその情報も提供してほしい」と語った。

 糸数公保健衛生統括監は1日、記者団の取材に対し、米軍から非公表を条件に感染者の情報提供があった場合「向こうにも配慮する。(条件を)破れば情報をもらえなくなる可能性がある。公衆衛生の対応をする上で情報が必要だ」と語った。

 県基地対策課によると、1日、嘉手納基地を管理する第18航空団から連絡が入り「県には引き続き情報を提供する」と説明があったという。

 在沖米空軍や海兵隊、陸軍は本紙の取材に対し、国防総省の方針に沿う意向を示した。海軍は1日午後9時現在、回答していない。

 県内の米軍基地では、嘉手納基地で3人の感染が確認されている。