宮古駐屯地の編成完了 陸自、700人規模 コロナ防止で延期要請も式典強行


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部隊編成が完結した宮古島駐屯地の隊員ら=5日午前、宮古島市上野野原の陸上自衛隊宮古島駐屯地

 【宮古島】陸上自衛隊第15旅団は5日、宮古島市上野野原の宮古島駐屯地の編成完結行事を開いた。新型コロナウイルスが全国で感染拡大する現状を受け、市や宮古地区医師会が式典延期を要請する中で強行した。駐屯地正門前では市民が配備中止などを求め、抗議した。市民は「宮古島に戦争の危機を引き寄せる軍事要塞化に断固反対する」などとした抗議決議を隊員に手渡した。

 同駐屯地は2019年3月に新設され、宮古警備隊(約380人)が配備された。加えて、今年3月には地対空誘導弾(ミサイル)・地対艦誘導弾部隊(約240人)が配備され700人規模となった。

 同駐屯地によると部隊が使用するミサイル発射台を搭載した車両や資材などはほぼ搬入済だが、弾薬は「まだ搬入されていない」とした。

 駐屯地司令の佐藤慎二1等陸佐は式典で「わが国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増している。宮古島は東シナ海と太平洋を隔てる要衝であり、南西防衛の第一線だ。島しょを守り抜く、国の意思を示し、南西地域の部隊配備の空白を埋める」と強調した。