玉城流冠扇会与那嶺恵子琉舞道場で琉舞を習い始めて5年、ベバリー・バードさん(28)は、ジョセフ・ジョーンズさんやアキコ・ヤマウチさんら先輩の踊りのすばらしさに感動を覚え、「いつか自分にもそのようなときが来ることを期待して」練習に励んだ。
思えば小さいときに本部町新里生まれの祖母から琉舞を習うよう勧められ、始めたのがきっかけであった。彼女は最初琉舞の内容も分からず、稽古についていくのは易しいことではなかった。大学進学で一時期、稽古も途絶えたが、就職と同時に結婚し生活に余裕ができたことを機に、稽古を再開、今に至る。
祖父母は他界したが、若いころの2人の出会いはロマンチックなストーリーだ。祖父はカリフォルニア州オックスナード出身の米軍人だった。1950年代、沖縄の米軍基地勤務で祖母が働いていた沖縄そば屋にほとんど毎日通い、デートに誘ったが返事はノーばかり。2度目の沖縄勤務で再び、店に現れた彼の繰り返しの誘いに「自分と一緒には歩かないで」と約束をして祖母はデートに応じた後、次第に彼にひかれたという。60年に結婚、61年にカリフォルニア州サンディエゴに移住した。
ベバリーさんはカリフォルニア州立大ドミンゲスヒルズ校で幼児教育の学位を取得後、州立大フラートン校で特別支援教育の学位も取った。現在、学校で教えて4年がたつ。琉舞を通して思い出すのは「大好きな祖母や沖縄のことです」とほほ笑んだ。
(当銘貞夫通信員)