【キラリ大地で】読谷出身の喜友名さん 米で日本語指導 考えや性格を会話に生かす


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リッチモンド大学のティーチングアシスタントの部屋で笑顔を見せる喜友名育美さん

 読谷村出身の喜友名育美さん(24)は、沖縄国際大学総合文化学部英米言語文化学科を卒業後、2018年からバージニア州の州都にあるリッチモンド大学で日本語学科の助手として日本語教育に携わってきた。

 「1年目は毎日がカルチャーショックの連続で戸惑う事が多々あった」というが、学生らと年齢が近い事もあり、友達感覚にならないよう厳しく接し、威厳を保とうとしたという。

 だが、それが裏目に出て悩む日々が。授業は日本語のみで行うが、準備したシナリオが思うように進まず脱線すると、こじつけの授業になり、学生から楽しんで学んでいる姿勢が感じられなかったという。

 そこで自分の授業を録音し、毎回終了後に聞いてチェックした。すると生きた会話がない事に気付いた。その理由の一つが「上から目線的な接し方だった」

 学科のディレクターから教師として大切な事は、知識、スキル、そしてパーソナリティーだと言われた事を意識した。「文法上の質問にも論理的に説明でき、学生に理解してもらえた事が自信につながった」と目を輝かせる。

 生きた会話とは、機械的にドリルを解いたり、教科書のフレーズを覚えたりするのではなく、即興を繰り返し自然に導く。「学生の考えや性格が反映された生きた会話が展開された時は学生も楽しんでくれ、自分自身の喜びにもなった」と続ける。

 長年バレエを続けていた育美さんは昨年、アジアンウィークのイベントで学生らを動員し、「ダイナミック琉球」と「よさこいソーラン節」の振り付けを指導し、自らも舞台を飾った。総勢18人のパフォーマーに週1日、2カ月間教えた。「厳しい練習についてきてくれ、本番は気合が入り観客から喜ばれた。達成感があった」と話す。

 また、和太鼓クラスを履修し、ワシントンDC全米桜祭りのステージと沖縄会の新春会の舞台で披露する事になっていたが、新型コロナウィルスのため中止に。2年弱のアメリカ生活の感想を「ディレクターの鈴木先生に出会えた事で人生の目標の一歩を踏み出させてもらった。今後大学院に進み、さらに知識やスキルを身に付け、自身を磨き、魅力あふれる日本語教師を目指したい」と抱負を語った。

(鈴木多美子バージニア通信員)