救済Tシャツで沖縄音楽を加勢 保栄茂仁さん、ライブハウスなど支援


この記事を書いた人 Avatar photo 斎藤 学
サイバーボックスの店長・保榮茂さんが作成したTシャツ。売り上げはライブハウスやスタジオの支援金として分配している

 那覇市にあるライブハウス「サイバーボックス」店長の保栄茂仁さん(48)が「Keep Making New Culture」という企画を立ち上げた。新型コロナウイルスの影響を受けるエンターテインメント業界を支えようと救済Tシャツを販売し、経費を差し引いた売り上げを県内14のライブハウスやスタジオに支援金として分配している。ライブハウスや音楽スタジオも営業自粛を求められている。沖縄の音楽文化をつなげるべく、業界に支援の輪を広げている。

 サイバーボックスも3月中旬からライブのキャンセルが相次いだ。店の売り上げに少しでも補填しようと独自でTシャツを作成していたが、苦境にあえぐ沖縄の音楽シーンの姿を見て「少しでも業界の力になれば」と活動範囲の拡大を決めた。

救済Tシャツを作成する保栄茂仁さん

 特設販売サイトを4月23日にオープンした。当日だけで250枚の注文があり、累計の注文数は800枚を超えた。売り上げの3割は県外からの注文で支援の輪が拡大していることを実感している。「沖縄の音楽が好き。今こそ力になりたい」という応援メッセージも寄せられているという。

 ライブハウスの営業再開は見通しがたたず、救済Tシャツの売り上げだけでは店の運営費用はまかなえないのが現状だ。それでも業界の存続のために何かないかと、再起策について模索しているという。

 保栄茂さんは「ライブハウスやスタジオは、音楽に触れるきっかけの場。次世代に音楽文化をつなぐためには必須の場所だ。なんとか困難を乗り切りたい」と決意を語った。

 販売サイトは次の通り。https://scapegoat.thebase.in/