政治
県議選2020

県議ってどんな仕事をしてきたの?この4年間を振り返る<県議の仕事>

 任期満了に伴う第13回県議会議員選挙は5月29日告示、6月7日に投開票される。今期4年間の県議会は基地問題を主な争点にし揺れた。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う埋め立ての是非を問う県民投票(2019年2月実施)では、選択肢を3択に増やす条例改正案を巡り与野党の攻防が白熱し、玉城デニー知事を巻き込み緊迫した状態が続いた。米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイの墜落、小学校校庭に米軍ヘリの窓枠が落下するなど米軍から派生する事件・事故は後を絶たず、抗議決議・意見書可決も相次いだ。県議会の4年間を振り返る。 (’20県議選取材班)

■4年間の動き 県民投票条例で攻防 米軍事故相次ぎ抗議、意見書  


オスプレイ墜落に抗議する与党提案の決議、意見書を賛成多数で可決した県議会=2016年12月22日

オスプレイ墜落(16年)

 2016年12月13日に発生した名護市安部海岸部へのオスプレイ墜落事故を受け、県議会は12月定例会で与党議員の提案による決議と意見書を賛成多数で可決した。文案を調整する中で与野党の意見がまとまらず、従来の委員会提案を見送ることになった。  事故の翌日から協議に入った米軍基地関係特別委員会では、与党が「墜落」を主張する一方で、野党は防衛省の見解に沿った「不時着水」と表現すべきと難色を示した。また、オスプレイの「配備撤回」の見解でも折り合いが付かず、議論は最終本会議までもつれ、与野党がそれぞれの主張を盛り込んだ独自案を提出した。  最終的に中立の公明、維新は退席する中、与党提案の意見書が賛成多数で可決された。  

 

5年以内の運用停止(17年)

 17年3月29日、普天間飛行場の5年以内運用停止の実現を求める意見書が全会一致で可決された。意見書は「辺野古移設」の進展にかかわらず「あらゆる方策により全力を挙げて取り組むべきだ」と求め、同年4月に政府にもそれを要請した。  5年内の運用停止は、当時の仲井真弘多知事が13年12月、辺野古埋め立てを承認する最大の条件とした上で安倍晋三首相に要請した。安倍首相は「最大限努力する」と約束し、政府は19年2月までの実現を明言、「実現に向けて全力で取り組む」と閣議決定したが、運用停止は実現しなかった。  

 

県政交代(18年)

 18年8月8日、辺野古新基地建設阻止を県政運営の柱に掲げていた翁長雄志知事が膵(すい)がんで死去した。12月の任期満了を前に予定していた知事選は9月30日に前倒しとなった。選挙戦は翁長知事を支えた「オール沖縄」勢力が推す玉城デニー氏と政府与党が全面支援した佐喜真淳氏との事実上の一騎打ちとなった。選挙の結果、玉城氏が佐喜真氏に8万174票差を付けて初当選した。玉城氏は翁長県政と同様に新基地建設阻止を県政運営の柱に据えており、安倍政権との対立が続いている。

 

県民投票(19年)

 19年2月24日、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の埋め立ての是非を問う県民投票が実施された。県内で県民投票が実施されるのは2度目。「反対」が43万4273票と投票総数の約72%を占め「埋め立て反対」の民意が示された。「賛成」は約19%、「どちらでもない」は約8%。投票率は約52%だった。  県民投票を巡っては当初、宜野湾市など5市が投票事務を拒否する意向を表明し、県民投票の全県実施が危ぶまれた。その後、議長提案として県議会に選択肢を「賛成」「反対」の2択に「どちらでもない」を加えた3択にする条例改正案が提出された。当初は与党内からも条例改正に反対の声があったが、玉城知事の説得や公明党の水面下の動きもあり、最終的には賛成多数で可決された。

 

■与野党対立は? 普天間移設関し論争/議会構成が変化するか

 

 県議会では度々、与野党の間で論争が起きる。特に米軍基地に関する決議などでは全会一致にならず、玉城デニー知事を支える与党の賛成多数で可決されることが多い。米軍普天間飛行場の県内移設に反対する議員が多数派を占める現在の議会構成は2008年から続いており、今回の県議選では議会構成が変わるかどうかにも注目が集まる。

 米軍基地問題に関して最近では、3月に可決した意見書で与野党が対立した。意見書は普天間飛行場の運用停止と名護市辺野古の新基地建設中止、在沖米軍基地の負担軽減について「国民的議論を深め、民主主義および憲法に基づき公正に解決することを求める意見書」。与党は「沖縄への過重な基地負担を解決するためには国民的議論が必要だ」と訴え、野党は「意見書が求める内容は難しい議論で、我々の責任に負える問題ではない」などと反対した。

 昨年9月には玉城知事が「万国津梁(しんりょう)会議」の設置支援業務を受託した事業者らと正式な契約を結ぶ前に会食していた問題が県議会で取り上げられた。野党側は「疑惑を解明するには百条委員会しかない。与党も提案に乗るべきだ」と地方自治法100条に基づく調査特別委員会、通称百条委の設置を求める構えを見せたが、「疑惑に当たらない」とする与党の賛同を得られなかった。


議員立法・決議は? 泡盛条例、制定至らず/米軍関連、今期倍増67件

 

 議会では意見書や決議を可決することで、県執行部や政府などに対し議会の意思を表明している。前回2016年の県議選で当選した県議が、この約4年間で可決した意見書と決議は96件だった。12年から4年間の65件から31件増えた。

 今期の96件のうち67件は米軍基地から派生する事件事故に対するもので、前回の32件と比べて倍以上に増えた。

 主な意見書や抗議決議には、2017年の普天間第二小学校への窓落下事故や19年の浦西中への部品落下事故、同年の米海軍兵による女性殺害事件などがある。

 議会では首長や執行部が提出する議案や条例案を議員が審議し、成立させる。一方、議員の発議による条例制定も認められている。
 今期任期中に成立した議員提案条例はなし。昨年12月に議員提案による「県泡盛の文化の振興に関する条例」案が審議されたが、各会派の意見がまとまらず制定には至らなかった。

 沖縄の日本復帰前の議会である立法院は政策立案や予算編成権などを担い、政策形成に大きな役割を担った。復帰後の県議会で成立した議員提案条例は6本にとどまり、県議の政策立案能力の低さを指摘する声もある。



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