「国難に殉じた」表現を削除 国立墓苑の説明で県平和祈念財団サイト「意味の深さ考えず」


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国立沖縄戦没者墓苑(資料写真)

 県平和祈念財団は同財団のホームページの国立沖縄戦没者墓苑に関する説明で「国難に殉じた戦没者の遺骨を永遠におまつりする」という表現を12日までに削除した。現在は「悲惨な戦争により犠牲になった人々」としている。

 国立沖縄戦没者墓苑を巡っては、先月、玉城デニー知事が「慰霊の日」の沖縄全戦没者追悼式の会場を、新型コロナによる式典の規模縮小に伴い同墓苑に移すと発表したが、12日には元の場所で行うと発表した。この間、石原昌家沖縄国際大名誉教授らは「同墓苑のホームページには戦争を美化するような『国難に殉じた戦没者』という表現が見られる」と指摘し、同墓苑での追悼式は遺族感情にも沿わないなどとしていた。

 同財団の常務理事兼事務局長の上原兼治さんによると「国難に殉じた」との表現は、昨年5月ごろホームページをリニューアルした際に他県の遺族会の会報などを参考に記述を加えたという。上原さんは「石原先生たちの問題意識に対し、この言葉を使い続けるのはいかがかという思いがあり、表現をリニューアル前に戻した。『国難』という意味の深さをあまり考えていなかった。申し訳ない」と話した。