政府文書なのに…「サンゴ生残率20%」水産省の見解ではない 衆院委で答弁


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名護市の大浦湾のサンゴ(資料写真)

 【東京】名護市辺野古の新基地建設に伴うサンゴ移植に関連し、水産庁が昨年まとめた「改訂 有性生殖によるサンゴ増殖の手引き」が、識者の見解としてサンゴの植え込み4年後の生残率を「20%以下」としていることについて、水産庁は18日、「水産庁の見解ではない」と説明した。18日の衆院沖縄北方特別委員会で川内博史氏(立民)の質問に答えた。

 水産庁は、識者が執筆した前書きについて「委員会では検討していない」とした。これに対し、川内氏は「いやしくも政府の文書に学者が勝手に前書きを付けたという答弁がまかり通れば、今後政府の文書はこの部分は個人的見解か、政府の見解か、確認しないといけなくなる」と問題視した。水産庁に議事録や手引き案文の提出を求めた。

 サンゴの生き残る確率を巡っては、水産庁の手引きが20%とする一方、国土交通省は那覇空港の滑走路増設事業に伴い13、14年度に移設されたサンゴの17年冬時点で生き残っている割合として「小型サンゴで40%、大型サンゴで100%」とするなど、政府内の資料で相違が出ている。