91歳の元二高女生徒、今年も千羽鶴「せめてもの供養に」 白梅之塔


この記事を書いた人 アバター画像 嶋野 雅明
「白梅之塔」で亡き同窓生らをしのんで千羽鶴を贈った岸本瑞江さん(右)、武村豊さん=23日午後、糸満市真栄里

 元県立第二高等女学校の生徒だった岸本瑞江さん(91)=那覇市=は「白梅学徒隊」として、沖縄戦で犠牲になった同窓生らを追悼しようと、白梅之塔の慰霊祭で千羽鶴を贈った。千羽鶴の作成に加わった同窓生の武村豊さん(91)=同=と共に「安らかに眠ってほしい」と祈りをささげた。

 沖縄戦当時、同学校の4年生だった岸本さんは県外への集団疎開で学徒隊への動員を免れた。しかし同級生の多くが命を落とし「せめてもの供養に」と30代から慰霊祭に参加する。慰霊の日に合わせて、自作したり友人や知人が作ったりした折り鶴を、1年がかりで集めて寄贈している。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今年は慰霊祭への参加自粛も考えた。それでも、普段から通うデイケア施設からも折り鶴の提供を受けたこともあり「みんなの真心を届けるのが私の役目だ」と慰霊祭に駆け付けた。「身体が持つ限りは続けたい」と力を込める。