米軍上陸2日前 通信隊入隊 安里祥徳さん 捕らわれた日(14)<読者と刻む沖縄戦>


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
北中城村喜舎場の「あやかりの杜」

 一中鉄血勤皇隊に続き1945年3月28日、県立一中2年生で一中通信隊が組織され、電信第36連隊に入隊します。安里祥徳さん(90)=北中城村=は実家のある中城村(現北中城村)喜舎場に戻っていました。

 母カナさんや姉、妹ら家族と共に集落西にある壕に避難していました。現在の「あやかりの杜(もり)」の近くです。そこへ29日、具志川村(現うるま市)出身で県立一中同期の友人が訪ねてきました。

 「友人が来て『みんな通信隊に入隊した。一緒に行こう』と私を誘ったんです。私は行くことに迷わなかったし、家族も止めませんでした。家に戻って仏壇に手を合わせて、無事に帰ってくるようにと家族でお祈りしました」

 安里さんは同じ喜舎場出身の親類で一中同期の安里憲治さんを訪ね、通信隊のことを家族に伝え、友人と共に那覇に向かいました。30日、繁多川にある電信第36連隊本部で入隊しました。その後、安里憲治さんも入隊します。

 《繁多川に布陣した連隊本部で組み分けを受けて、第4中隊、第5中隊、第6中隊、固定中隊に分散、配属された。その場で軍服と軍靴が支給され、上衣の襟元には陸軍2等兵の階級章を取り付け、陸軍2等兵として勤務を開始することになった。》

 2日遅れで入隊した安里さんは第5中隊に配属されました。米軍上陸の2日前のことです。