石破氏、辺野古移設「これしかない、だけが解決策と思わない」 「唯一」に疑義呈す


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辺野古新基地建設計画を検証する考えを示す石破茂元防衛相=2日、東京都の共同通信本社

 【東京】自民党の石破茂元防衛相は2日、共同通信加盟社論説研究会で講演し、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設について「これしかない、とにかく進めるということだけが解決策だとは思っていない」と述べ、辺野古新基地における米海兵隊の抑止力維持に高速輸送能力の確保を検討することで現行計画を検証したい考えを示した。安倍政権が繰り返す「辺野古が唯一」とする方針に疑義を呈した格好だ。さらに日米地位協定見直しにも前向きな姿勢を示した。

 石破氏は、来年9月に任期を迎える安倍晋三首相の後任を巡り世論調査では高い人気が示されている。

 陸上配備型迎撃システム「イージス・アショア」が、技術的課題とコスト、工期を理由に合理的でないことから計画が断念されたことから、辺野古移設も同様に不合理で見直す考えはないかと問われた石破氏は「コストの問題も時間の問題も技術の問題も指摘の通りだと思う。ただ海洋工学の専門家ではないので、本当にどうかはきちんと時間をかけて検証しないといけない」と述べ、辺野古新基地建設の課題を検証したい考えを示した。

 沖縄や全国知事会も求める日米地位協定の改定については「地位協定は運用の改善はもはや限界だと思っている、これは変えてかえていかないと駄目だというのは私の信念に近いものだ。(防衛庁)長官のときに沖縄国際大学にヘリがおちたときに、私の実感として持っている」と述べ、見直しに前向きな姿勢を示した。【琉球新報電子版】