KBC学園未来高校は6月24日、10歳の時に沖縄戦を体験した県観光ボランティアガイド友の会の玉木利枝子さん(86)を招いた平和学習を開いた。3年生が教室で玉木さんの講話を聞き、別室にいた1、2年生も同時にリモートで話を聞いた。
玉木さんは住んでいた那覇の町が10・10空襲で焼け野原となり、宜野湾村(当時)に逃げたが、球部隊の軍医を務めていた父を探すため、首里を目指して南下した。しかし、父は見つからず、逃げ込んだ防空壕も日本兵に追い出され、南部の壕に移った。
ある日、新鮮な空気を吸うため壕を出たら、近くに大きな砲弾が落ち、兄が重傷を負った。学校では砲弾が落ちたら目と耳を押さえるように習ったが、いきなりの出来事で何も対応できなかったという。
兄は野戦病院で治療を受けたが他界した。玉木さんは「兄は水が欲しいと、うめきながら息を引き取った。あの時水をやれなかったことをいまだに悔いている」と戦争の悲惨さを伝えた。生徒は真剣な表情で玉木さんの話に聞き入っていた。