米議会「辺野古」削除か 国防権限法案 下院委素案、文言なし


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埋め立て工事が進む辺野古の新基地建設現場=6月12日

 玉城デニー知事は3日、記者団の取材に対し、米下院軍事委員会の国防権限法案から沖縄県名護市辺野古の新基地建設に関する項目が削除されたとして「一報しか聞いていないが非常に残念だ」と述べた。一方、米国への働き掛けを続ければ「われわれが指摘することに必ず米国政府も突き当たり無視できない」と話し、米議会で懸念が示された事実を新基地阻止に向けた足掛かりとしたい考えを示した。

 米下院軍事委員会のウェブサイトに6月27日付で掲載されたアダム・スミス委員長素案には「普天間代替施設」「辺野古」などの文言がなかった。1日に軍事委員会が開かれて法案を可決したが、その協議結果はまだ公表されていない。

 玉城知事は「(軍事委員会の)小委員会であっても米議会で懸念事項が上がってきたことは、ワシントン事務所の職員も情報を収集・発信してきた成果だ」と説明。「私も訪米して懸念について話した。民間シンクタンクも国会議員と共に議員へのロビー活動をした」と強調した。

 軟弱地盤の存在による工事長期化や地震による護岸崩壊の懸念などについて「これからの情報発信で米議員やシンクタンク、県系米国人の活動、ベテランズ・フォー・ピース(平和を求める元米軍人の会)やAPALA(アジア太平洋系アメリカ人労働者連合)の皆さんのロビー活動につなげたい」と述べた。