中谷氏と知事「辺野古の軍民共用」平行線 対話の必要性では一致


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中谷元・元防衛相(左)と面談する玉城デニー知事=3日、県庁

 中谷元・元防衛相は3日、県庁に玉城デニー知事を訪ね、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画について意見交換した。中谷氏は現行計画を進めた上で民間飛行場を併設する「軍民共用」案や米軍と自衛隊の共同使用などを提案した。玉城知事は、過去に名護市が提示した15年の使用期限など「基地受け入れ7条件」がほごにされた経緯に触れた上で、民間機用の滑走路整備で埋め立て区域が広がり、工期も延びると述べ反対した。自衛隊との共同使用についても「県外の既存基地の方が時間も計画性も早い」との考えを示した。1999年、政府は「基地受け入れ7条件」の尊重を閣議決定したが、その後、ほごにされた経緯がある。

 両者は「話し合いの場」の必要性については一致したが、会談は平行線に終わった。中谷氏は会談で、中国の軍事力拡大を念頭に「沖縄、南西方面の防衛体制がさらに重要になってくる。辺野古基地は米軍だけでなく、自衛隊も北部の人たちも併せて使えるような飛行場があれば、地域の平和と安全のためにも貢献できる」と述べた。

 玉城知事は会談後、記者団に対し「むやみに軍備増強の方向で考えるのではなく、沖縄は平和の緩衝地帯として認めてもらうことが必要だ。そのためには沖縄、日本、米国で、日米の安全保障の話をすることが欠かせないと伝えた」と話した。

 会談は冒頭のみ公開された後、約40分間、非公開で行われた。

 中谷氏は2日に来県し、渡具知武豊名護市長や新基地建設現場に近い久辺3区の区長らとも会談した。