「現場にいてこそ感動共有できる」県高校総体の屋内競技、保護者が観戦許可求める署名提出


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県高体連の上地勇人会長(右)に屋内競技でも保護者の観戦を認めるよう求める署名を手渡す興南ハンドボール部保護者会の島袋弘人会長=9日、那覇市奥武山町の県体協スポーツ会館

 18日に開幕する県高校総合体育大会で無観客実施となる屋内競技について、保護者の代表者が9日、県高校体育連盟に親らの観戦を認めるよう規制の緩和を求める3320筆の署名を提出した。県高体連は「リスクを避け、大会を最後まで続けるため、最低限の人数でやりたい」と緩和は難しいと回答し、代替策で動画配信などを検討しているとして理解を求めた。署名活動は今後も継続するという。

 興南ハンドボール部保護者会の島袋弘人会長が那覇市奥武山町の高体連事務局で上地勇人会長らと面談。ハンドボールだけでなくバレーボールやバドミントン、体操などの複数の学校の保護者から6日間で寄せられた署名を手渡した。

 島袋会長は「その場に立てないのはとてもつらい。感動は現場にいてこそ共有できる。子どもたちを鼓舞することにもなると思う」と強調した。幼い頃から送迎などで支えてきた子どもたちのプレーを「目に焼き付けたい」と切実な思いを伝え「県のガイドラインや独自の観戦防止対策を徹底さえすれば可能だと思う」と訴えた。

 上地会長は、できるだけリスクを減らし、最後まで大会を運営することが重要として「万全な態勢で臨むことが大事だ。気持ちは分かるが苦渋の決断だ。感染が起きると大会がなくなる。理解してほしい」と説明した。

 島袋会長は「観戦できるとなれば保護者は対策を絶対に取る。信じてほしい」と再考を求めたが、上地会長は、県内で新規感染者が発生したことや首都圏を中心に感染例が増えていることなども挙げ、方針変更に難色を示した。