県系3世ローレン・ヒガさん 奉仕活動で県人会貢献【キラリ大地で】


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沖縄を訪れた際に、紅型の着物を着て写真撮影を楽しむローレン・ヒガさん=2017年

 県系3世のローレン・ヒガさん(24)は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の修士課程で学ぶ。4月上旬に新型コロナウイルスの感染拡大防止のため「不要不急の外出禁止令」が出され、特に65歳以上のシニアの外出禁止が求められた。その際、ヒガさんは北米沖縄県人会シニア会員の自宅に食料品を届けるなど、県人会の活動に力を尽くしていた。

 ヒガさんの父は沖縄系2世、母はフィリピン系で、ロサンゼルス近郊に生まれた。2017年にカリフォルニア大学サンタバーバラ校で、アジア系アメリカ人の研究でバチェラー(学士)を取得した。社会福祉事業家や臨床治療家を目指して、19年からUCLAのマスター(修士)課程で学ぶ。ロサンゼルス・ダウンタウン婦人センターでホームレス対策に取り組みたいと要望書を提出した。

 ローレンさんは幼い頃から「われわれの家族はウチナーンチュだよ」と言われてきたが、その意味がよく分からなかった。

 沖縄のルーツについて考え始めたのは20歳になってからだ。「自分の中の日系アメリカ人についてもっと知りたい」との願いから、1年間、東京の国際基督教大学に留学した。その際に週末を利用して沖縄に旅行した。

 片言の日本語しか話せなかったが、英語を交えて会話をするローレンさんの周りには絶えず沖縄の人々の明るいまなざしがあり、強く印象に残った。沖縄の歴史についても学んだ。第2次大戦の終了後、1972年の日本復帰まで沖縄はアメリカの統治下に置かれたことを知り、驚いて胸を痛めた。

 2018年に友人の誘いで沖縄県人会の会員になった。県人会のヌチャーシ・プログラムで「社会事業家」について講演をしたこと、19年沖縄県人会のピクニックで調整官を務めたこと、現在は「北米沖縄県人会修正史」の作成委員の一人であることなど、さまざまな役割を担いながら、生きがいを求めている。

(当銘貞夫通信員)