沖縄県高校総体開幕 球陽の相撲部、金武和睦 集大成の土俵で初Vに意気込む


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感謝の思いを土俵で表そうと意気込む球陽の金武和睦=16日、沖縄市の球陽高

 球陽でただ一人の相撲部員、金武和睦(なごむ)が県総体の初優勝へ奮い立っている。進学校で受験勉強と両立しながら相撲を続け、100キロ級と無差別級でエントリーした。長年稽古で世話になった先生や先輩、友人らへの感謝を示そうと「本気で優勝を狙っている」と並々ならぬ思いで土俵に上がる。

 美里中1年生の時、同級生で小学時代からの親友の木﨑誠仁(中部農林)に誘われて相撲を始めた。学校に土俵がないため、木﨑とともに強豪の中部農林で高校生に教わった。「優しく教えてくれた。胸を貸してもらって力がついた。楽しかった」と引き込まれ、中学2、3年では全国大会の団体戦で木﨑らと組んで決勝トーナメントまで進んだ。

 受験が近づく中学3年に上がると相撲と勉学の選択に悩んだ。「勉強を中心にするけど、相撲はやめたくない」。両親や中部農林の先生に相談すると、背中を押してくれた。進学後は塾に通いながら週末だけ中部農林で稽古した。「木﨑の土俵は相撲。自分の土俵は勉強」と親友に勉強を教える時もある。

 とはいえ稽古は片手間ではない。「週末が楽しみで仕方なかった」と遅れを取り戻すべく稽古でエネルギーを爆発させる。基本の四股やすり足、ぶつかり稽古に全力で取り組んだ。1年生の県総体と新人大会は80キロ級で準優勝。2年生でも同階級で県総体3位と結果を残した。

 しかし、いまだ優勝はない。最後の県総体は100キロ級で3年生の平良乃希(浦添工)をライバル視している。手の内をよく知る相手なだけに、決まり手にこだわるというよりも柔軟な相撲を心掛ける。無差別級では最後に木﨑と当たりたいと意気込む。「わがままを言って他校から相撲をさせてもらえた。3年生のために動いてくださった先生方に感謝して取り組みたい」。集大成を最後の土俵で披露する。

(古川峻)