【熱闘・県総体】相撲の中部農林・木崎が3冠、周囲の支えに感謝の涙(7月18日)


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個人戦100キロ超級決勝 立ち合いで激しくぶつかる木崎誠仁(右)=18日、中部農林高

 大会最後の取組となった100キロ超級決勝。団体、無差別級と3冠が懸かる木崎誠仁(中部農林3年)は玉城頼(同2年)と向き合った。無差別級決勝と同じ顔合わせ。前の立ち合いは玉城がいなして変化をつけてきたが、今度は頭から真っ向勝負を仕掛けてきた。木崎は「先輩を送り出そうと思い切った相撲を取ってくれた。自分が壁になる」と望むところだった。

 立ち合い後、左で差し、右上手を取ると、まわしを取らせずに勢いよく寄り切った。「しゃあっ」と叫ぶと、目に涙があふれた。指導を受けてきた父の智久さんと握手を交わし、手を合わせた。「けがで迷惑を掛けた時があり、父や先生方、チームメートに支えられてきた。感謝の気持ちだった」。

 父が土俵からつくり、強豪校に育てあげた中部農林に進学。幼い頃から憧れた主将になり、全国制覇を掲げてきた。新型コロナの影響で想像していた有終とは違ったが「県では全部勝たないといけない」と切り替えて体重を15キロ増やし、できる準備を積んできた。

 強豪の日大に進む予定。「勝負強いメンバーがそろっている」と後輩に後を託した。「礼儀など人間として一番大事なことを学んだ。誇りに思ってがんばりたい」とこれからも相撲道を進んでいく。

(古川峻)