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検討会資料20項目38ページで誤り 差し替え後も議論せず<点検「辺野古」変更申請>6


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
沖縄防衛局が修正した資料の例。赤字が修正箇所(防衛局資料から)

 名護市辺野古の新基地建設に向け、沖縄防衛局は軟弱地盤に対応するため設計を変えるに当たって専門家を集め「技術検討会」を設けた。自らの地盤改良計画に専門家のお墨付きを得たとの立場だが、その技術検討会は誤ったデータを含む資料に基づいて開催されたものだった。

 2019年9月から6回技術検討会を開催したが、今年4月の第6回会合で、これまで防衛局が示してきた資料に20項目の誤りが判明した。資料の差し替えは38ページにわたり、複数の箇所を修正したページも多い。その時点で既に検討会は5回開かれていたが、うち4回で誤った資料を使っていた。防衛局によると、調査の受託業者が資料を見返したところ、判明した。実際と異なる数字を用いたり、誤った計算結果を掲載したりしていた。表記ミスも含まれる一方、護岸の安定性について再計算しなければならないような誤りもあった。

 技術検討会は「これまでの議論に影響はない」(委員長の清宮理早稲田大名誉教授)として問題視せず、議論し直すことはなかった。防衛局はその検討会の20日後、県に設計変更の承認申請書を提出した。

 独自に新基地建設の問題点を検証してきた沖縄辺野古調査団(代表・立石雅昭新潟大名誉教授)などからは「これまで技術検討会は整合性の取れない点や資料の誤記も見過ごしてきていたということだ」「いかに審議がずさんだったかを示している」との指摘がある。