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海砂使用、県内年間採取量の倍 生態系に悪影響の恐れ<点検「辺野古」変更申請>7


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
沖縄防衛局が修正した資料の例。赤字が修正箇所(防衛局資料から)

 名護市辺野古の新基地建設では、埋め立てなどで大量の土砂が海中に投入される予定となっているが、設計変更により、土砂の調達地にも変更点があるとみられる。県外からの土砂に紛れた特定外来生物の侵入を防ぐ県土砂条例を避けるため、県内で調達された土砂の使用量が増す見通しだ。

 軟弱地盤の改良工事で使用される砂の量は約350万立方メートルとされているが、この量は県内で年間に採取される海砂総量の約2倍で、環境への影響が懸念されている。

 海砂採取は海底からポンプで砂を吸い上げて行われる。県環境政策課によると、設計変更による環境影響評価では、採取場所について特に審査しないというが、一般的に特定の箇所で大量に海砂を採取した場合、砂地に生息する海藻などの生態系に悪影響を及ぼす可能性があるという。他県では採取そのものを禁止している県もあるほどだ。

 こうしたことを踏まえ、市民団体などは、ジュゴンのエサとなる藻場の保護などを訴え、県や県議会に、県内での海砂採取の年間総量を規制するよう要請し続けているが、大きな動きがないのが実情だ。

 基地問題を調査している土木技師の北上田毅氏は「海砂採取は環境への負担が大きい。沖縄は規制がなく深刻だ」と語り、総量規制の重要性を訴えている。