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「環境配慮」と不整合な土砂の陸上運搬 工期短縮で国が方針転換<点検「辺野古」変更申請>9


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
海上で進められる土砂運搬作業=2日、名護市辺野古の大浦湾

 米軍普天間飛行場の移設に伴う新基地建設の設計変更で、沖縄防衛局は埋め立て用の土砂の一部を陸上運搬する方針を示している。だが防衛省側は2017年に、護岸工事で使う石材を「大気汚染や騒音、振動などの環境負荷が軽減される」などとして陸上運搬から海上運搬に変更した経緯があり、環境に配慮したという、これまでの主張との整合性が問われそうだ。

 大浦湾の軟弱地盤の工事を検討する防衛局の技術検討会で昨年末に出た資料では、陸上運搬について言及があり「埋立材を陸上搬入し(中略)早期埋立を図る」と記されている。基地の早期建設のため、埋め立て用の土砂の一部を陸上運搬するといい、工期短縮のために従来の説明と矛盾した態度を取る国の姿勢が表面化した格好だ。

 技術検討会の資料によると、埋め立て材の陸上運搬は工事開始4年目から始まり、合計で183万立方メートル余となる予定で、多数のダンプカーが辺野古周辺を通行することで、騒音や震動、粉じんの発生など環境への影響が懸念されるが、防衛省は基準値内などと主張している。