【記者解説】「流行警戒期」県民への影響は? 具体性欠く県の発表 対策提示が急務


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県内の警戒レベルをレベル2の「流行警戒期」に引き上げたと発表する玉城デニー知事=26日、県庁

 玉城デニー知事は26日の記者会見で、新型コロナウイルス感染症への警戒レベルを第2段階の「流行警戒期」に引き上げると発表したが、県民への具体的影響については言及しなかった。4~5月に外出自粛や休業要請が出ていた際、県経済に大きな影響が出たこともあり、県の慎重な様子がうかがえる。ただ、地域ごとに対策を取り、感染拡大防止と経済回復を両立させる手法を早急に示すことが求められる。

 会見で玉城知事は「地域の状況に応じた対策を講じることもできるのではないか」と発言し、県全体での統一的な対策以外の方法についても考えることを示した。感染者数が多い那覇市や中部保健所管内に向けてどのような内容にしていくかを今後、検討していくという。

 一方で在沖米軍基地の存在も県の悩みの種だ。基地従業員のPCR検査の結果次第では、警戒レベルがさらに引き上げられる可能性も否定できない。

 県内では観光業界など厳しい経済情勢が続いている。県は経済と防疫の双方に考慮した難しい判断を迫られている。それに加え、米軍基地関係者の感染拡大も予断を許さない状況だ。県の新型コロナ感染対策は正念場を迎えている。 (西銘研志郎)

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