【識者談話】現状の水際対策「効果なし」 政策、抜本的に改善を 徳田安春医師


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群星沖縄臨床研修センター長 徳田安春医師

 新型コロナウイルス専用の病床が埋まりつつあり、県内は危機的な状況にある。県は前回よりは積極的に検査をしており、対応はよくなっているが、十分ではない。国や県は(渡航や営業の)自粛を要請しない方針だ。自粛をしないのであれば、検査を拡大するなど政策を抜本的にグレードアップした方がいい。

 現状の水際対策はほとんど効果がない。発熱だけで感染者を見つけるのは限界がある。流行地から(沖縄へ)来る人で、同意が得られる場合は全員に対して、抗原検査やPCR検査の実施などを検討すべきだ。

 台湾やタイ、ニュージーランドなど多数の国が徹底的な検査、追跡、隔離で封じ込めに成功している。宿泊施設の大量確保なども早くやるべきだ。感染者を隔離しないと感染が広がる。再び自粛に追い込まれれば、観光以外の会社もダメージを受ける。

 那覇市の松山などホットスポット(一大感染地)も、東京の新宿区長がやったように、那覇市が責任を持って従業員全員の検査をするなどした方がいい。

(群星沖縄臨床研修センター長)