美謝川の水路切り替え、防衛局がボーリング調査準備 辺野古新基地建設


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キャンプシュワブ内を通って大浦湾に注ぐ美謝川(中央付近)=2014年撮影

 【名護】名護市辺野古の新基地建設計画で、沖縄防衛局が美謝川の水路切り替え工事に向けたボーリング調査の準備を進めていることが1日までに分かった。調査で工事の可否や設計を判断するとみられる。名護市によると、調査地点は辺野古ダムからキャンプ・シュワブを横断し大浦湾に至る複数箇所。今後、ボーリング調査の結果を踏まえて、工事の内容次第では市法定外公共物管理条例に基づき市の許可が必要になる。

 市によると7月中旬ごろ、防衛局からボーリング調査の連絡があった。調査地点は提供施設区域内。市有地ではないためボーリング調査に市の許可はいらず、市が国と協議する法定事項もない。地権者から許可を得た上で、国道329号沿いから着手するとみられる。

 辺野古ダムについては、市が地権者から土地を借りて水道事業を行っている。市は、ダムの水質に影響が出ないよう防衛局に汚濁防止対策などを求めている。調査の着手前に具体的な作業方法を防衛局側に確認する考えだ。専門家への意見聴取も視野に入れている。

 美謝川の水路切り替え工事については、新基地建設に反対していた稲嶺進前市長が市長権限で承認しない考えを示していたため、防衛局が2014年9月に市の関与を避ける工法に変更し、同11月に取り下げた経緯がある。