沖縄県、無症状なら当面「PCR検査なし」も 高リスク患者に軸足 100人感染受け


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新型コロナウイルス感染拡大を受けて会見を開く玉城デニー知事=7日午後、県庁

 沖縄県の玉城デニー知事は7日、新型コロナウイルスの新規感染者数が県内で初めて100人を超えたことを受け、県庁で会見を開いた。7月末から感染者数が急増したことで、重症者の治療を対応する感染症指定医療機関の県立病院や各保健所でPCR検査の業務が負担になっているとして、緊急的措置として当面の間、PCR検査の対象を見直すと発表した。重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患を有する人が症状のある場合はPCR検査は従来通り実施するが、濃厚接触者でも症状がなく高齢者や基礎疾患を有さない場合は保健所の判断で検査をしないこともあるとした。

 玉城知事は「今回の措置は医療が必要の人へ迅速に検査に届けるための緊急的措置であり、県民のみなさんの理解もお願いしたい」と述べた。

 会見に同席した県立中部病院の高山義浩医師によると、感染者一人につき平均の10人の濃厚接触者がおり、指定医療機関は検査に追われて治療に専念することが難しいという。県内は現在は比較的若年層の感染者が多いが、少しずつ高齢者も増えてきており、早急に重症者用の治療体制を再構築する必要があるとした。

高山医師は「決して検査は絞り込もうとしている意図はない。症状のある人の検査はする。症状がない人の治療は限界がある。命を救うための医療は、症状が出てからでも遅くない」として理解を呼び掛けた。【琉球新報電子版】