「あちこーこー豆腐守る」 島豆腐製造業者、国際基準HACCP説明会 衛生管理強化へ手引書 


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HACCPの考え方を取り入れた衛生管理について説明を受ける豆腐製造業者=26日、浦添市西原

 今年6月に食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」が義務化されたことに伴う島豆腐製造事業者への説明会(県豆腐油揚商工組合主催)が26日、浦添市内であった。同組合や食品衛生管理の専門家によって作られた「温かい状態で販売する島豆腐小規模製造事業者におけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」では、温かい島豆腐は製品温度が55度を下回ってから3時間以内に消費するか、速やかに冷却し冷蔵で保存することが決められている。手引書を編集した県食品衛生協会の伊志嶺哉専務理事は「あちこーこー豆腐を守るための基準。守るためにはどうすればいいか知恵を出し合っていきたい」と理解を求めた。

 島豆腐製造現場の調査結果や食品安全委員会の見解を分析・検討した結果、島豆腐の場合、最も危惧される食中毒要因はセレウス菌と確認。セレウス菌は55度以下で増殖を開始し、約3時間で健康被害が生じるレベルに達する。そのため手引書は、小売店へ納品時に55度であることを確認し、そこから3時間で販売することを基準とした。

 伊志嶺専務理事は「温度確認は納品時に行えばよく、小売店で販売中に確認する必要はない。55度以上で保存することができれば3時間以上置くことも可能」と注意点を説明した。

 参加した豆腐製造業者は「厳しい基準だが守るしかない。3時間しか販売できないので、なるべく廃棄がでないように納品時間を調整する予定だ」と話した。別の業者は「スーパーまでの配送中の温度をどう保つかが課題」と指摘した。