不登校の児童・生徒、自然に触れて自分発見 渡嘉敷村で仲間と体験キャンプ


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平和学習プログラムで集団自決跡地を訪れ黙とうする参加者=11日、渡嘉敷村の集団自決跡地の戦跡碑

 【渡嘉敷】渡嘉敷島の大自然の中で新しい自分を見つけようと「いきいき自然体験キャンプ」(主催・国立沖縄青少年交流の家、共催・県適応指導教室連絡協議会)が8~11日(3泊4日)、青少年交流の家本館、同海洋研修場(渡嘉志久ビーチ)、ハナリ島などで開催された。

県内の心因性の不登校児童・生徒や関係者を対象にしたキャンプで、今回は新型コロナウイルスの影響で1団体4人(中学生2人、引率2人)のみの参加となった。さまざまな体験を通し新しい自分に気づき、仲間と協力して日常生活で前進するきっかけになることが目的。

海洋研修プログラムに挑戦する参加者=10日、渡嘉敷島

 参加者は同所キャンプ場でカレーを作って自らの手料理に舌鼓を打ち、海洋研修ではシーカヤック、シュノーケリングなどの基礎的な指導を受けた後、カヤックで阿波連の無人島(ハナリ島)まで渡り島の自然を満喫した。また、星空ウオッチングやクラフト作りなども楽しんだ。最終日は地元の平和ガイドを講師に招き、沖縄戦で渡嘉敷島の悲劇と言われる「集団自決」(強制集団死)について学んだ。

 参加者は「今回の体験を生かしボランティアや海の仕事に就きたい」「みんなと協力してさまざまな体験ができたので達成感でいっぱい」と感想を寄せた。

 青少年の家事業担当の中里昭夫企画指導専門職は「参加者は笑顔があふれ、目を輝かせて活動していたのが印象的だった」と話した。 (米田英明通信員)